「つみたてNISA口座投資で、「REIT=不動産」は、購入できるの?」という人がいます。
日本のREITを扱っている「Jリート」だったり、世界の不動産を扱っている「ワールドリート」だったり、といったものです。
結論をお伝えしますと、「つみたてNISAの採用銘柄」自体が、投資信託の商品を絞っていますので、その中で「リート市場のみ」を購入できる投資信託は、今のところありません。
ただし、「株式」「日本株」「世界株」「債券」「新興国債券」・・・などなど・・・といった色々な資産を集めた「バランス投資」という商品があります。その中には、「REIT=不動産」を買えるものがあります。
あなたが、「REIT=不動産」に投資をしたいということであれば、「バランス投資」で「REIT=不動産」が含まれているものを選ぶと良いでしょう。
その前に、「つみたてNISA」のおさらいと、「REIT=不動産」の特徴などを詳しく解説させていただきます。最後に「つみたてNISA」で「REIT=不動産投資」ができる商品をご紹介させていただければと思います。
目次
1、つみたて(積立)NISAの概要
「少額投資非課税制度NISA」の「積み立てタイプ」として、2018年度、「つみたてNISA」は、生まれました。
より少額から「投資」ができるようになり、「長期にわたり非課税を享受できる期間」が増えました。
特徴としては、下記にまとめました。
年間40万円まで非課税
非課税期間20年
いつでも始めることができ、いつでも解約して使うことができます。
投資金額は、100円からできます。
金融期間は、1社
商品は、金融庁が選んだ162本(2018.11現在)の銘柄のみ
つみたて(積立)NISAで選べる商品は、金融庁が投資家に有利な商品を決定!
非常に有利な制度ですが、そのため購入する商品は限られているのです。
あらかじめ金融庁が、「長期つみたて」「分散投資」に向いている商品を、日本で購入できる6000本余りの投資信託の中から選んでくれているのです。
まず、手数料が0円、運用中にかかる信託報酬(運用コスト)が安い、毎月分配型ではないといった条件をクリアした商品です。
その中に、残念ながら「REIT」だけを買っている「投資信託」はいまのところありません。(出てきたらお伝えします!)
引用:楽天投信スーパーリサーチ
ただし、上記でもお伝えした通り、バランス投信の中の一部ので購入可能です。
下記は一例です。
引用:野村6資産均等バランス
他にもたくさんあります。おすすめREIT商品をお伝えする前に、REITの特徴を見ていきましょう。
2、REIT(不動産投資法人)の特徴・仕組み
「REITに投資をしたい。」といっても実際よくわからないという人も多いでしょう。株式や債券のように一般的ではありません。
たとえば、株式ですと毎日ニュース等で「今日の日経平均は・・・」というような説明がありますが、REIT指数についてのニュース等は一般ニュースではほぼありません。そのためここではREITとは何かということを詳しく解説をします。
3、REITは、株式と債券の中間のリスク
REITは、株式と債券の中間ぐらいのリスクと覚えておきましょう。
債券のように満期がある金融商品ではありません。株式の企業の成長のみを取る商品でもありません。
家賃収入を受け取りながら、実際に株式のように売却でき売却益も受け取れる商品です。
RIETの仕組み
REITとは、「 real estate investment trust」の略で「リート」「不動産投資信託」のことを言います。「投資家」から集めたお金で「不動産投資法人REIT」が「不動産」を購入して、賃料収入や、売却益を投資家に還元をするという金融商品です。投資家であるあなたは、「REIT」を通じて間接的に様々な不動産のオーナーになることができます。要するに少ないお金で大家さんになることができるのです。
下記がわかりやすい図です!
引用:三井住友トラストアセットマネジメント
世界のREIT市場は拡大傾向
古くは1960年アメリカで誕生しました。今現在は、20数か国、日本では、2001年にスタートして【日本のJAPANーREIT(Jリート)】をはじめ、カナダ、オーストラリア、香港、フランス、ドイツ、イタリアなど世界各国で上場をしています。市場もどんどん大きくなりつつあります。市場はまだまだ小さいですが、イスラエルといった国もあります。
引用:三井住友トラスト・アセットマネジメント
とはいうものの・・・REIT市場は歴史も浅いのでまだ市場規模は小さいです。
REIT市場の株式市場は65倍・債券市場はナント130倍!
引用:大和投信
REITのメリット3つ・デメリット2つ
次にREITのメリットとデメリットを見ていきましょう。一般的に言われている代表的なメリットとしては、3つあるでしょう。
REITの3つのメリット
3つのポイント
1、REITは、少額から不動産投資ができます
2、REITは、複数の不動産に投資ができます
3、REITは、利回りが高く安定的な配当を得られます
順番に見ていきましょう。
1、REITは、少額から不動産投資ができます
まず、少額から「不動産投資」ができます。それが1つ目のメリットです。
不動産を購入するとなると相当なまとまったお金が必要になります。それを100円から購入することができ、大家さんになることができます。
2、REITは、複数の不動産に投資ができます
REITは、世界中の素敵な建物、素敵なホテル、ショッピングモールなどすべてのオーナーになれる夢のような商品です。
たとえば、アメリカニューヨークにあるおしゃれなアウトレットのオーナーになれたり
引用:大和投信ホームページ
ニューヨーク5番街にある歴史あるビルである767フィフス・アベニュービルもあなたのモノ
引用:大和投信ホームページ
メキシコ湾沿いにあるフロリダ州のリッツカールトンホテル・・もし泊まる機会があれば、友達に自慢して
東京の汐留のビルの大家さんだったりします。
引用:森トラスト投資法人
上記のような名だたる建物すべての大家さんになることができるのです。
オフィスビル
賃貸住宅
ホテル
ショッピングモール
倉庫・工場
医療施設・病院・老人ホーム
など様々です。
つみたてNISAの場合は、100円で投資ができますので、たった100円ですべての建物の大家さんになれます。
少額からできるというのは、最大のメリットでしょう。
2、REITは、利回りが高く安定的な配当を得られます
建物は、利回りを常に生み出します。ホテルであれば、土地代や宿代ですし、オフィスビルやショッピングモールでしたら、賃料です。それと、REITの場合、法人税は免除できますので、効率よく収益を生み出し、投資家に還元できます。建物という建物すべてが、地代だったり、家賃収入だったりが発生します。それを享受できることになります。
利回りが高く、安定的な運用が期待できるところは、ひじょうにメリットが高いです。
次にデメリットを見ていきましょう。
REITの2つのデメリット
デメリットは、あえてデメリットを上げるとすれば、下記の3つでしょう。
デメリット3つのポイント
1、REITは、地震・火災などによるリスクがあります
2、REITは、価格変動によるリスクがあります
3、REITは、金利上昇局面に下がる傾向にあります
ひとつづつ説明をします。
1、REITは、地震・火災などによるリスクがあります
REITの場合は、地震や火災などにより不動産市場は大きく崩れる可能性があります。
不動産は、地震や、火災で倒壊したりすることが多々あります。それによるリスクです。
2001年の同時多発テロの世界貿易センターの写真
このようなことがあると、リートは打撃を受けるでしょう。ただし・・・株式も相当下がりますので、REITに限ったリスクではありません。
2、REITは、金利上昇局面に下がる傾向にあります
二つ目のリスクは、REITは、金利上昇に弱いといった特性があることがあります。
REITは、上記のメリットでもお伝えしましたが、配当が非常に高いといったメリットがあります。そのため株式よりも利回りが期待される金融商品です。
REITから安定資産への移行
しかしながら、金利が上昇すると金利を受け取れるもっと安定的な金融商品などに資金を移す傾向にあるからです。そのため、リスクをとってREITに資金を入れていた人は、手放すということです。
REITが、金利負担が重く収益を稼げなくなる
REITは、多くの不動産を購入するのに銀行からお金を借りて不動産を購入しています。金利が上昇するということは、借りている金利負担も大きくなるので、REITの利益が減ってしまうということです。
ただし、金利上昇すること(インフレ)で不動産価値も上がる可能性もあり賃料収入のほうも上昇する可能性もありますので一時的といえます。
次に実物の物件を購入する「不動産投資」と比較をしてみました。
REIT投資と不動産への直接投資の比較
REIT | 不動産 | |
必要資金 | 100円~ | 最低でも1000万~ |
物件選びの情報 | いらない | 専門的な知識必要 |
分散投資 | 容易 | できない |
維持管理 | なし | 資金必要 |
流動性 | すぐに売買できる | 難しい |
投資対象 | 世界中の優良物件 | 区分マンション1つか2つ |
一般的な「不動産投資」と比較してみました。
どれをとっても手軽にできリスクが少ないことがわかります。
市場はまだまだ小さいですが、興味があるということであれば、小さい額「つみたてNISA」から始めてみてもいいでしょう。
つみたて(積立)NISA投資*実は少額でREIT投資可
では、つみたてNISA採用銘柄でリートが含まれているものがどのくらいあるのか見てみましょう。
3-1、REIT投資できるつみたて(積立)NISAの商品は?
つみたてNISA採用銘柄の中で、REIT投資ができるものは、35銘柄ほどあります。(2018.11現在)その中で何を選ぶか見ていきましょう。
あえてREIT指数を外しているバランス投信もあります。市場がまだ小さいので「つみたてNISA」の長期投資にはふさわしくないという判断なのでしょう。
「長期投資」ということろがありますので、日本のREIT「Jリート」もう一つは世界のREITの「ワールドリート」両方入っているものを選ぶと良いでしょう。バランス投信なのでほとんどが両方含まれている投資信託です。
つみたてNISA採用銘柄の商品の選び方は、インデックス投信の場合は、「運用コスト安」を選ぶのが正解です。
金融庁が、「投資家」にとっていい投資信託を前もって選んでくれています。そのため抑えるところは、「運用コスト」のところだけで大丈夫です。
3-1、Jリート指数のみ
・「日本株式とJリートバランスファンド」
運用コストは、なんと0.21%と安めです。
配分は、5:5です。
日本市場に特化しているので、少しリスクが高いイメージですが、日本の企業を応援するという意味では、おススメではあります。
3-1、世界指数
運用コストは、0.17%です。こだわりのインデックスファンドです。
リート配分は、合計で40%です。
Jリート20%
Gリート20%
均等に6資産分散ですね・・。
三菱UFJ国際投信のeMAXISシリーズにとことんコストにこだわったインデックスシリーズです。その名もスリム
運用コスト0.17%は、ニッセイと同じ驚異のコスト
リート配分は合計で25%程度
Jリート12%
Gリート13%の配分です。
・「Smart-i 8資産バランス 安定成長型」
安定型/安定成長型/成長型3つコースがあります。ここでは、真ん中のコースを紹介します。リソナアセットマネジメントの商品です。
運用コスト0.19%とやはりコストは抑えています。
リート配分は合計で10%です。
JーREIT5%
GーREIT5%
少し少なめです・・。
4商品をご紹介いたしました。
まとめると
日本株式とJリートバランスファンド リート配分 JREIT 50%
ニッセイ・インデックスバランスF(6資産均等) JREIT 20% GREIT 20%
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) JREIT 12% GREIT 13%
Smart-i 8資産バランス 安定成長型 JREIT 5% GREIT 5%
是非参考にしていただけると嬉しいです。
まとめ
ここでは、「つみたてNISA口座投資で、「REIT=不動産」は、購入できるの?」の疑問にお答えをしました。
また「つみたてNISA」の概要、「REIT」とは何かを詳しく解説をさせていただきました。
「REIT」は、非常に魅力的です。
ただし「REIT」市場は、株式市場や、債券市場と違いまだまだ市場規模が小さく発達途中です。
そのため資産の一部に組み入れるのは、いいでしょう。
「つみたてNISA」ではじめて投資をするということであれば、100円からでも「REIT投資」が可能です。是非上記でご案内した「REIT投資」のできる「バランス投資」で「投資デビュー」してはいかがでしょう?
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