世界経済インデックスファンドという投資信託があります。
「世界のGDPを丸ごと享受するインデックスファンド」ということがこの投資信託のテーマになります。
この投資信託は、つみたてNISAで初めて投資をする人から、絶大な信頼を得ています。
それは、運用会社が三井住友トラストホールディングスだとか、インデックスファンドなのでコストが安いとか色々理由があると思いますが実際のところはどうなのでしょうか?
ここでは、この投資信託が、つみたてNISAで初めて投資をする人から、支持される理由をお伝えしたいと思います。
目次
世界経済インデックス・F★3つの特徴
つみたてNISA分類 | アクティブ |
ファンド設定日 | 2009.1 |
運用コスト | 0.54% |
信託財産留保額 | 0.1% |
純資産 | 563億 |
最低購入価格 | 100円(SBI証券、楽天証券) |
「世界経済インデックスファンド」の3つの特徴は、下記です。
- 世界経済の成長を享受できます
- 状況に応じて資産バランスを変更します
- 実績があります
世界経済の成長を享受できます
この投資信託1本で、世界各国の「株式」「債券」にバランスよく投資して運用を行ってくれます。
先進国30% 新興国15% 日本5%の割合で入っています。
資産としては、債券50%、株式50%です。
非常にバランスよく入っています。
投資信託の中には、日本株式に特化したもの、外国の債券に特化したものなど色々あります。
この商品は、市場の偏りがなくすべての資産に分散されています。それが大きな特徴です。
下に世界の名目GDPと世界株式・世界債券・分散投資の収益率の推移があります。
世界の名目GDPの成長と比例して世界の株式・世界の債券の収益は得ることができるという考えのもとこの投資信託は設定されています。
1984年~世界株式に特化した運用を行っていれば、一番パフォーマンスが上がっています。
しかしながら、下げるときはかなり激しい下げとなるのでリスクも高いことがわかります。
世界の債券に特化した運用を行っていると上げ下げは少ないですが、十分なパフォーマンスは得られない可能性もあります。
しかしながら、「世界の株式」「世界の債券」すべての資産を丸ごと取り込む運用ですと、極端な値ブレは軽減され中長期的に持つとパフォーマンスが上がる可能性があります。
状況に応じて資産バランスを変更します
この1本で世界経済を丸ごとバランス良く分散投資できることがわかりました。
ただし、そういう投資信託はほかにもあります。
つみたてNISAに採用されている銘柄にもいくつかあります。
この投資信託の凄いところは、適宜配分を変更するところにあります。
今現在は、
・先進国の株式・債券が、60%
・日本の株式・債券が10%
・新興国の株式・債券が30%です。
しかしながら今後の世界経済のGDP成長を考えますと新興国の市場が大きくなる可能性が高くなることも考えられます。
そういう局面には、新興国市場の株式・債券の割合を多くしたり、先進国の株式・債券の配分を減らしたりします。
これにより、世界のGDPの成長を享受することができるのです。
実績があります
「世界経済インデックスファンド」は、2009年1月に、三井住友トラストアセットマネジメトが運用を開始した投資信託です。
世界のあらゆる地域、資産に分散した投資信託はほかにもありましたが、その中でも、運用コストが安かったり、わかりやすい運用内容だったり、といったところが話題を呼び、純資産も右肩上がりに増え、パフォーマンスも上がっています。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2016」では、8位にも選ばれています。このことで一般投資家の人からの支持も得ていることがわかります。
以下は純資産の推移と基準価額の推移です。
純資産も、基準価額も順調に推移しています。
以下は、組み入れてあるインデックスです。一般的なインデックスが多いです。
ここまでお伝えすると、非の打ちどころがない魅力的な投資信託に思えます。
しかしながら欠点もあります。
世界経済インデックスの2つのデメリット
世界経済インデックスファンドのデメリットといえば2つ挙げられます。
・運用コストが高い
・株式・債券の配分は常に50:50
運用コストが高い
1つ目は、運用コストでしょう。
2009年1月にスタートしたころは、同じような運用商品も少なく、同じような運用商品の中では、0.54%というコストは安いほうでした。
しかしながら、最近は同じような運用商品も増え、またコストが意識された投資信託が多くなってきました。
例えば、同じようなバランスファンドの運用コストも下記の通りです。
0.2%代の運用コストの投資信託もあります。
ファンド名 | 信託報酬 |
世界経済インデックス | 0.54% |
eMAXIS slim 8資産 | 0.22572% |
iFree 8資産バランス | 0.2376% |
- 高いコストの新興国株式にも手軽に投資できる投資信託が増えている
しかも、新興国に特化して運用を行える投資信託でも、もっともっと手数料が安い投資信託が多数あります。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(0.2052%)
iFree 新興国債券インデックス(0.2376%)
といった投資信託がやはりコストが安いで有名です。
・株式・債券の配分は常に50:50
もう一つデメリットと言えば、株式と債券の比率が常に50:50というところにあります。
世界の景気が上昇局面においては、株式に資金は流入し、債券は売られます。逆に世界の景気が停滞期には、債券に資金が流入して、株式から資金は流出します。
しかしながら、この世界経済インデックスファンドは、資産配分はどんな局面でも50:50です。
この投資信託の運用のテーマとしては、「世界のGDPの成長を享受する」というスタンスで運用を行っているため、世界経済の成長局面に株式投資を増やしたり、停滞局面には債券運用を増やしたりといった資産配分を適宜行うことはしていません。そこはデメリットでしょう。
世界経済インデックスと世界経済インデックス・オープンの違い
つみたてNISAで採用されている投資信託で、同じ三井住友トラストアセットマネジメントの商品であり、同じマザーファンドを使っている世界経済インデックスファンド類似商品があります。
「世界経済インデックスオープン」「世界経済インデックスオープン(債券シフト)」「世界経済インデックスオープン(株式シフト)」という3本になります。
この3本に関しては、つみたてNISAがスタートした2018年の前年度である2017年5月スタートということもあるので、つみたてNISAのために新設されたファンドといえるでしょう。
内容は、先ほども述べた通りマザーファンドは、まったく同じです。
違いをみていきましょう。
地域配分だったり、資産配分だったりが若干違う
・「世界経済インデクスオープン」の資産配分
世界経済インデックスファンドよりも、新興国の比率が多くなっているところが特徴です。
・世界経済インデックスオープン(債券シフト)
世界経済インデックスオープン(債券シフト)は、世界経済インデックスオープンが基準になっていますが、債券が75%、株式が25%の割合です。
・世界経済インデックスオープン(株式シフト)
世界経済インデックスオープン(株式シフト)は、世界経済インデックスオープンが基準になっていますが、株式が75%、債券が25%の割合です。
運用スタートが浅いので実績がない
この「世界経済インデックスオープン」「世界経済インデックスオープン(債券シフト)」「世界経済インデックスオープン(株式シフト)」3本の投資信託に関しては、スタートが2017年度からなので、純資産は少ないですし、実績もありません。
以下は、信託報酬と、純資産の数値です。
ファンド名 | 信託報酬 | 純資産 |
世界経済インデックス | 0.54% | 540億 |
世界経済インデックスオープン | 0.54% | 1.39億 |
世界経済インデックスオープン(債券シフト) | 0.486% | 5.97億 |
世界経済インデックスオープン(株式シフト) | 0.594% | 14.81億 |
コストだけ見ますと債券シフトが一番安いですね。
しかしながら、それほど違いがありませんので、「世界経済インデックスファンド」か、積極型である「世界経済インデックスオープン(株式シフト)」が、おススメではあります。
他のバランスファンドとの違い
つみたてNISAのアクティブ投信で同じバランスファンドとの比較
商品名 | 信託報酬 | 純資産 |
世界経済インデックス | 0.54% | 540億 |
ハッピーエイジング30 | 1.458% | 125.52億 |
ハッピーエイジング40 | 1.2960% | 150.77億 |
セゾン・バンガード・グローバルバランス | 0.68% | 157億 |
この中では、世界経済インデックスファンドは、一番コストが安いです。
純資産も1番多いです。
まとめ
ここでは、世界経済インデックスの特徴をお伝えし、なぜ世界経済インデックスがつみたてNISAで購入する人が増えているのかをお伝えしてきました。
3つポイント
1.世界のGDPの成長を丸ごと享受できる運用スタイル
2.市場動向を見ながら適宜運用内容を変える
3.過去の実績で成果を期待できる
といった特徴があろことがわかりました。
しかしながら時代も変わり、運用コストでは、もう少し安い投資信託も出始めていますし、フレキシブルに株式・債券の配分を変更するような試みはないため、パフォーマンスとしては、そこが惜しいといえます。
国内バランス投信の中でも日本への投資比率が低く、GDPの成長の通り新興国の組み入れを徐々に増やす可能性はあります。
今後の新興国のGDPの成長の果実を享受したいという方にはぜひこの世界経済インデックスファンドはおすすめです。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、カブドットコム証券などで購入できます。
世界経済インデックスオープン(株式シフト)という投資信託もつみたてNISA採用銘柄だけれども、それもオススメではあります。
初めてつみたてNISAで資産運用を検討しているのであれば、選んでみてもよいと思います。