ドルコスト平均法という手法があります。
為替、株式や、投資信託などの金融商品の投資手法の一つです。定額購入法とも言います。
この投資手法は、為替や、投資信託を購入する際、一度に購入せずに、資産を分割して一定額を定期的に継続して購入する方法のことです。
このことで、リスクを軽減し、大きな損失を防ぐことができます。そのため初心者向きの運用方法といわれています。
2018年度からスタートした「つみたてNISA」に関してもこの手法を用いています。
ここでは、なぜリスクを軽減することができるのか、初心者向きなのかをわかりやすく説明し、つみたてNISAが初心者向きの運用商品として最適ということをお伝えしたいと思います。
目次
「ドルコスト平均法」とは
下記は、ドルコスト平均法の図です。
ドルコスト平均法は、定期的に決められた期間、決められた金額だけ購入するといった手法です。
例えば、上記のように
毎月1万円で、同じ商品を購入します。
毎月高い時もあれば、安い時もあります。
それを1万円を出して5か月間購入します。金額は、5万円を投資したことになります。
価格が安い時は、たくさん買えます。
価格が高い時は少ししか買えません。
そのタイミングが高いか安いかは、購入時にははっきりわかりません。
それが投資の場合は非常に難しいのです。
そのことにより毎月、一定金額をコツコツと積み立てて購入します。
それが、ドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法の2つのメリット
ドルコスト平均法のメリットは、2つあります。
1、相場に一喜一憂しないで済む
2、価額を平均化させ、高値掴みをなくすことができる
この2つが挙げられます。
この2つを順に見て見ましょう。
1、相場に一喜一憂しないで済む
ドルコスト平均法の1つ目のメリットは、なんといっても相場に一喜一憂しないで済むことでしょう。
例えば:一度に投資をしたとします。その後相場が大きく下落してしまい資産が半分になってしまったとします。そうなった場合その投資信託の状況が気になり、夜も寝られなくなってしまうこともあるでしょう。
しかしながら、資金を一度に投資に回すのではなく、少額を毎月少しずつ積み立てる方法で購入した場合、相場が、大きく下落したとしても、その下落局面でも少しずつ購入はするので、それほど気をもむことはありません。
2、価格を平均化させ、高値つかみをなくすことができる
また、毎月一定額をかいつけることで、価格を平均化させることができますので、高値掴みをなくすことになります。そのことは、結果的にリスクの軽減につながります。
投資金額 | 価額 |
①1万円 | 300円 |
②1万円 | 250円 |
③1万円 | 280円 |
④1万円 | 300円 |
⑤1万円 | 180円 |
合計5万円 | 平均価格262円 |
時間を味方につけて上がり下がりに気をもむことなく無理なく投資する。
毎月上がっても、下がっても1万円を積み立てをするという購入のルールを先に決めてしまうのです。
それにより、今日は「上がった」「下がった」といって気をもむこともなくなります。
市場の動きに一喜一憂して平常心を失い誤った意思決定をすることがなくなります。
それが、つみたてで長期で資産を形成する方法なのです。
ただし、デメリットも実はあります。
ドルコスト平均法は、万能ではないけれど、それこそが、初心者向き
ドルコスト平均法のデメリットがあります。
「リスクを軽減するということは、リターンも少なくなる」
ということです。
リスクを軽減するということは、リターンも少なくなる
結局、リスクを軽減するということは、リターンもあきらめるということになります。
上記の図でもわかる通り、今後どのような相場状況で動くとわかっていれば、間違いなく⑤の時に一括投資することが、一番儲けられますよね。
ということは、一番安い時の一括投資にはかなわないということになります。
下落して価格が安くなっている時にまとめて投資をして、利益を出し売却します。
それが、儲けの鉄則にはなります。
そのため、「相場状況を見ながら、売買をして儲けたい」「相場を読む力には自信がある」などという人にはこの「ドルコスト平均法」は向きません。
そのため万能ではないことがわかります。
運用初心者のあなたは、「儲け」より「資産を形成」させること
しかしながら、運用初心者のあなたは、「相場をみながら、売買して儲けたい」だったり「相場を読んで売買することが好き」ということではないと思います。
まずは、つみたてNISAで、将来の資金を形成することが目的でしょう。
またこれをきっかけに徐々に運用に慣れることもできるでしょう。
なので、このドルコスト平均法は非常に初心者向きであることが言えるでしょう。